×

ニュース

島根3号機 稼働反対 47.9% 市民調査 地震対策を不安視

 島根大法文学部の上園昌武教授(環境経済論)は11日、松江市民を対象に実施した中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)に関する意識調査の結果を公表した。政府が9月に建設続行を容認した3号機の新規稼働には約5割が反対。1、2号機の再稼働にも半数前後が異を唱え、いずれも賛成を上回った。

 無作為抽出した同市の有権者2千人へ5、6月に調査用紙を郵送。20~90代の1296人(64・8%)から回答を得た。

 3号機を「稼働すべきか」には1281人が回答。406人(31・7%)が「そう思わない」、207人(16・2%)が「あまりそう思わない」で稼働反対は計47・9%に達した。「そう思う」(212人、16・5%)と「ややそう思う」(189人、14・8%)の稼働賛成(31・3%)を16・6ポイント上回った。

 理由については、反対層の78・5%(481人)が「島根原発の地震対策が不十分」と回答。地震発生に伴う原発事故への懸念が根強いことがうかがえる。賛成層は88・8%(356人)が「原発が経済に貢献している」としており、雇用や消費の拡大を期待していることがわかる。

 2014年3月に運転開始から40年を経過し、政府の運転期限を迎える定期検査中の1号機は、64・2%(823人)が稼働に反対。同じく検査中の2号機も稼働反対が46・6%(598人)に上った。上園教授は「島根県と松江市は経済効果や、事故のリスクも含めた発電コストなど、立地の功罪を客観的に市民に示して議論を深めるべきだ」としている。(樋口浩二)

(2012年11月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ