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[イワクニ 地域と米軍基地] 基地の南 月別騒音最多 艦載機訓練影響か

 米軍岩国基地(岩国市)南側の尾津町で1月に測定された騒音回数は883回に上り、2010年の滑走路沖合移設以降、月別で最多となったことが市のまとめで分かった。前月(570回)の約1・5倍と大幅に増加していた。昨年11~12月、厚木基地(神奈川県)から移転してきた空母艦載機の訓練などが本格化した影響とみられる。

 艦載機61機を岩国へ段階的に移す計画は、主力のジェット機部隊の一部など、全体の約6割の配備を終えている。1月は、市や基地でつくる岩国日米協議会で「訓練をしない」と確認している正月三が日を含め、艦載機などが基地滑走路を頻繁に離着陸した。

 市は、市内5カ所で騒音を常時測定し、基地周辺では南側の尾津町、北側の川口町に測定器を設置。市によると、1月の尾津町の騒音回数は、沖合移設後の月別最多だった12年3月(868回)を更新。川口町は前月(555回)の約1・4倍の762回を記録した。川口町も12年3月(811回)に次ぐ多さだった。

 滑走路は騒音の軽減などを目的に沖合へ約1キロ移され、10年5月末に運用を開始。それまで月千件をたびたび超えていた両町での騒音回数は大幅に減少した。移設後の1月の騒音回数を見ると、これまでの最多は12年で尾津町527回、川口町491回だった。

 また、岩国基地に絡み、市民から市に寄せられた1月の苦情件数は395件。1月分では過去2番目に多かった。1月分の過去最多は、空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)が深夜を含めて5日間続いた1998年の592件。

 騒音回数の増加について、市基地政策課は「艦載機移転や北朝鮮情勢に伴う訓練の活発化が一因とみられる。引き続き騒音状況の把握に努め、問題があれば国や米軍に必要な対応を求めたい」としている。(松本恭治)

<岩国基地周辺の月別の騒音測定回数上位>(2010年6月以降、岩国市まとめ)

①883 2018年1月(尾津町)
②868 12年3月(尾津町)
③822 13年5月(尾津町)
④811 12年3月(川口町)
⑤762 18年1月(川口町)
⑥759 15年5月(尾津町)
⑦729 15年5月(川口町)
⑧708 13年5月(川口町)
⑨705 11年4月(川口町)
⑩695 10年12月(尾津町)

(2018年2月7日朝刊掲載)

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