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原爆慰霊碑に塗料 逮捕 広島県警損壊容疑 77歳男 碑文に不満か

 広島市中区の平和記念公園で1月、原爆慰霊碑の碑文に金色の塗料が吹き付けられた事件で、広島県警捜査1課と公安課、広島中央署は13日、大阪府吹田市千里山松が丘、自称著述業三好誠容疑者(77)を器物損壊の疑いで逮捕した。

 広島中央署などの調べでは、三好容疑者は1月4日午前0時55分ごろ、原爆慰霊碑の「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれた面(縦80センチ、横125センチ)のうち、「過ちは 繰返しませぬから」の部分に金色の塗料をスプレーで吹き付けた疑い。容疑を認め、文言に不満があったという趣旨の供述をしているという。

 同署によると、防犯カメラ映像や目撃者の証言などを基に三好容疑者を特定。三好容疑者の自宅からは、防犯カメラに写っていたものとよく似たかばんも見つかった。

 原爆慰霊碑をめぐっては9月にも、西区のアルバイト店員の男がスプレーで赤色の塗料を吹き付けたとして、器物損壊容疑で現行犯逮捕されている。

 三好容疑者の逮捕を受け、広島市の松井一実市長は「原爆で亡くなられた方々を冒涜(ぼうとく)するような行為は決して許されない。碑文に込められた平和への思いが人々の心に根付くよう努力を続ける」とのコメントを出した。広島県の湯崎英彦知事は記者会見で「(原爆で)亡くなった方に思いをはせることができないというのは本当に残念なことだ」と非難した。

(2012年11月14日朝刊掲載)

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