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橋下氏 被爆実相理解を 広島・長崎市長が要求

 日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が遊説先の広島市で核兵器廃絶を「現実は無理」と発言したことについて、広島市の松井一実、長崎市の田上富久両市長は14日、「被爆の実相」を理解した上で発言するよう橋下氏に強く求めた。

 松井氏は午前に市役所での記者会見で、橋下氏の発言を「被爆の実相を理解していない方の発言ではないか」と指摘。「広島に来て原爆資料館を見て、被爆者の話を聞いて思いを実感すれば考え方も変わってくるのでは。(核兵器廃絶は)議論するものでなく実体験からくる思いだ」と強調した。

 両市長は午後、東京都内でルース駐日米大使に面会した。田上氏は終了後、記者団の取材に応じ「核兵器が人間にどういうことをするのか十分理解いただいていないのでは」と疑問視。非核兵器地帯の取り組みなどを挙げ「国や国連事務総長が(廃絶の)方法を検討し一歩一歩近づこうとしているのを理解してほしい」と述べた。松井氏も被爆の実相の理解を重ねて訴えた。

 一方、橋下氏は広島県の湯崎英彦知事が前日に「認識を改めてほしい」と批判したのに反論。大阪市役所で記者団に対し「核廃絶だけを叫んでいても何も動かない。広島県、広島市は核保有国を相手にどうやって自分がプレーヤー(当事者)になるかを言わないと。訴えるだけの政治はだめだ」と述べた。(岡田浩平、田中美千子)

(2012年11月15日朝刊掲載)

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