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[イワクニ 地域と米軍基地] 江田島・呉 米軍機騒音か 飛行路変更の見方も

 広島県江田島市で米軍機が原因とみられる騒音が1月30、31の両日、集中的に確認されていたことが分かった。住民の苦情が市に相次ぎ、市役所屋上の騒音測定器もジェット機の音を捉えていた。同時期に呉市天応地区でも騒音が確認された。米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機の移転に伴い、騒音が今後、さらに悪化する恐れがあると住民は懸念している。(浜村満大、貞末恭之)

 江田島市によると、騒音測定器が70デシベルを超える騒音を、2日間で計16回記録した。すべてジェット機の音で、1回当たり6~33秒にわたって測定した。

 70デシベルは、1メートルの距離で聞くやかんの沸騰音に相当する。同市が昨年4~12月に記録したのは計32回。今回は2日間で既に、その半数に上っている。

 市にはこの2日間について、住民から苦情6件が寄せられた。内容は「米軍機と思われる飛行機が何度も旋回している」「朝から夜遅くまで飛行機の音が聞こえる」などだった。

 市に連絡した同市大柿町の川元一馬さん(73)は「過去にも騒音を確認したことはあるが、30、31日は特に回数が多かった。岩国基地への艦載機の移転が進むと、さらに増えるのではないか」と不安がる。

 これと同時期、呉市西部の天応地区でも、夕方から夜間にかけて断続的に米軍機とみられる騒音が聞こえた。市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の坂本千尋共同代表は「艦載機が岩国基地に移転して以降、飛行コースが変わってきている可能性がある。旋回は偵察飛行訓練ではないか」と指摘する。

 江田島市は広島県と中国四国防衛局に状況を報告。県国際課は「国に事実確認を求めている」とする。中国四国防衛局は「これまでは江田島市関連の苦情はあまりなかったが、1月に入ってからは寄せられている。米軍機と思われ、在日米軍に伝える」としている。

(2018年2月16日朝刊掲載)

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