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米の核新戦略に危機感 東京 若者らトークイベント

 核を巡る国際情勢を学ぶトークイベントが15日、東京都渋谷区であった。核兵器の役割を拡大する方針を鮮明にしたトランプ米政権の核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」が公表されたことに危機感を抱き、都内を拠点にする反核平和団体が企画。若者を中心に約60人が参加した。

 講師は、昨年のノーベル平和賞を受けた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)国際運営委員が務めた。来場者の質問に答える形で、小型核を導入する方針を明記するなどしたNPRの概要を解説。核抑止力の実行性が確保されるとして、日本政府がNPRを歓迎している点にも触れた。

 川崎氏は「核で脅し合うことで安定を保つ方法は危険だ」と指摘。「日本政府は核抑止力の正当性を盛んに主張しているが、国民的合意とみなされないよう議論した方がいい」と訴えた。

 主催は「ヒバクシャ国際署名連絡会」。事務局の林田光弘さん(25)は「核を巡る現状がまずい、と感じている人は少なくないはずだ。何が課題か判断する材料を今後も提供したい」と話した。(田中美千子)

(2018年2月16日朝刊掲載)

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