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広島の被爆者医療に学ぶ HICAREなど主催 12ヵ国40人参加

 各国の医師や医療技術者が放射線事故と災害対応を学ぶ研修が19日、広島市南区の広島大霞キャンパスで始まった。広島県や市などでつくる放射線被曝(ばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)と国際原子力機関(IAEA)の主催。マレーシア、韓国、米国など12カ国から参加した約40人が、21日まで学ぶ。

 開会式で、HICAREの平松恵一会長は「被爆者医療に関する研究の蓄積を生かし、世界の医療人材の育成に貢献したい」とあいさつ。ハンガリーのエトベシュ・ロラーンド大のイストバン・ツライ教授(放射線生物学)は講義で「研修を通じ、専門家の知識を広めてほしい」と述べた。

 旧ソ連最大の核実験場があったカザフスタンのセメイ市(旧セミパラチンスク市)から参加した医師マディナ・マディエバさん(48)は「母国では長年の核実験による被曝で苦しむ人が多い。学んだ知識や技術を持ち帰りたい」と話した。

 この日は、福島第1原発事故や茨城県東海村の臨界事故の教訓などを学んだ。期間中、被曝した患者の救急医療に対応する訓練をするほか、放射線影響研究所(南区)や原爆資料館(中区)も見学する。(栾暁雨)

(2018年2月20日朝刊掲載)

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