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被爆ピアノ 東京へ 来月 広響の平和イベント 萩原麻未さん演奏

 原爆のために19歳で亡くなった広島の女子学生、河本明子さんの遺品の被爆ピアノを東京のホールで初めて演奏するイベントが3月8日、東京都墨田区のすみだトリフォニーホールで開かれることが決まった。広島市出身のピアニストで被爆3世の萩原麻未さんが、平和への思いを鍵盤に込めて発信する。

 広島交響楽団が同ホールと共催する平和祈念コンサートの一環。午後3時から広響が公開リハーサルをした後、ピアノを所有する市民グループHOPEプロジェクト(広島市佐伯区)の二口とみゑ代表の解説に続き、萩原さんの演奏がある。

 このピアノは近年、マルタ・アルゲリッチさんをはじめ世界的なピアニストが相次いで演奏。萩原さんは2013年から4回、中区の小学校や原爆ドーム前で弾いている。「東京の人々に明子さんのピアノの優しく、温かい音色を届けたい」と語る。

 同ホールは毎年、東京大空襲があった3月10日前後に平和祈念コンサートを開いている。被爆ピアノのイベント参加にはコンサートの入場券が必要。広響の公演は午後7時からで、下野竜也音楽総監督が指揮し、メゾソプラノ歌手藤村実穂子さんと協演するマーラー「亡き子をしのぶ歌」など4曲を披露する。広響事務局☎082(532)3080。(西村文)

(2018年2月21日朝刊掲載)

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