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被爆 67年後の再会 本紙証言読んだ同級生が連絡

 爆心地から約1・4キロの中広町(現広島市西区)にあった、国民学校の仮校舎の外で被爆し、避難中に離れ離れになった同級生2人が16日、67年ぶりに再会し、そろって被爆した場所を訪れた。

 三篠国民学校(現三篠小、西区)4年生だった木村宏さん(77)=安佐南区=と木村英雄さん(77)=同。英雄さんの消息を長年気に掛けていた宏さんが、9月24日付の中国新聞で、英雄さんが被爆体験を証言した記事を読み、中国新聞社を介して連絡を取った。

 避難中、はぐれて以来の再会を果たした2人は、一緒に被爆した場所へ。民家などが立ち並び、様相は随分変わっていたが、当時の記憶をたどりながら思い出を語り合った。

 宏さんは「亡くなったかもしれないという思いもあった。元気でおられて安心した」。英雄さんは「ずっと心配してくれていたことがうれしかった。会えて本当に良かった」と互いに喜んでいた。

 2人はあの日、米軍の飛行機を見た後、強烈な光に襲われた。とっさに近くの溝に身を隠し、木の塀が陰になったため、やけどは免れた。避難する時、宏さんは英雄さんに「一緒に帰ろう。宏君の家が無事だったらそこにいさせてくれ」と言われた。「分かった」と答えたものの、混乱の中、離れ離れになってしまった。宏さんが戦後、現在の安芸区に引っ越したこともあって2人が再び顔を合わせることはなかったという。(増田咲子)

(2012年11月19日朝刊掲載)

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