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広島の高校生が推進 千羽鶴プロジェクト 国連総長 賛同の返書

 広島市内の高校生たちが、平和記念公園(中区)にある原爆の子の像に寄せられた折り鶴の束を、世界193カ国の首脳や国連の潘基文(バンキムン)事務総長に贈る「千羽鶴プロジェクト」に対し、潘事務総長からメッセージが届いた。

 メッセージは、このプロジェクトを実施した、非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN・本部オーストラリア)広島青少年委員会への返事。千羽鶴を受け取った潘事務総長は、プロジェクトを歓迎するとともに「敬意を表する」と記した。

 また、千羽鶴を平和と核軍縮の象徴、と表現。自身が核兵器廃絶に向けて2008年に提案した5項目の柱にしている核兵器禁止条約の交渉推進と、プロジェクトの狙いが一緒であると位置付け、世界中の若い人たちにも行動が広がってほしい、と訴えている。

 日本では千羽鶴を折ると願いがかなう、と言われている点にも触れ、「核兵器のない世界が実現し、鶴を折った人たちの願いが実現するよう、私も祈っています」としている。

 このほか、国レベルでは、カザフスタンやスロベニア、ギリシャ、バヌアツの首脳からも支持表明のメッセージが届いている。

 広島青少年委員会の姜ヘンリー会長(19)は「賛同してくれた潘事務総長に感謝したい。30カ国以上が、核兵器の使用を国際法上非合法にする努力を各国に求める声明を国連で出すなど、核廃絶の動きが広がっている。このような動きが加速してほしい」と話している。(二井理江)

(2012年11月19日朝刊掲載)

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