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「核禁止条約の周知を」 静岡で原水禁・協 ビキニデー集会

 マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験で、静岡県のマグロ漁船第五福竜丸が被曝(ひばく)して64年となった1日、原水禁国民会議などによるビキニデー全国集会が静岡市であった。

 集会には約250人が参加。あいさつした原水禁の川野浩一議長は、核兵器禁止条約を支持していない日本政府を「唯一の核被害国を自称しながら、米国の顔色をうかがってばかりだ」と批判。「子や孫に平和な国を引き継げるかは、私たちの行動にかかっている」と訴えた。

 続いて、昨年のノーベル平和賞を受けた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)国際運営委員が講演。禁止条約の早期発効に向け、多くの人に条約の存在を知ってもらう必要があると強調した。最後に、反核運動強化を掲げたアピール文を採択した。

 この日は日本原水協などの原水爆禁止世界大会実行委員会と静岡県実行委主催の集会も焼津市であり、約1800人が参加した。

 広島で被爆した静岡県原水爆被害者の会の川本司郎会長(81)は「この日を核なき世界の実現に向けた新たな行動の出発点にしよう」とあいさつ。第五福竜丸の元乗組員大石又七さん(84)=東京都=も「核兵器も原発も絶対反対だ。平和で安心して住める日本をつくるため、何ができるか考えよう」と呼び掛けた。(田中美千子)

(2018年3月2日朝刊掲載)

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