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広経大生ら現地上映へ 歩いて聞いた沖縄戦と基地

 沖縄戦と戦後の米軍基地問題を取材したドキュメンタリー映像作品を作った広島経済大(広島市安佐南区)の学生たちが4日、那覇市で上映会を開く。同大の岡本貞雄教授(65)が2007年から続けるフィールドワーク「オキナワを歩く」に合わせて企画。作品に登場した沖縄の学生や沖縄戦経験者と意見交換する。

 メディアビジネス学科の4年生4人が制作した「眼差(まなざ)し」(36分)を上映する。4人のうち松井悠里花さん(22)が同行し、作品に込めた意図を紹介する。

 松井さんが基地問題に関心を持ったのは、「オキナワを歩く」がきっかけだった。16年から2回参加し、地上戦の戦跡や慰霊碑を巡る中で、戦地で看護に当たった元女子学徒隊員や、基地の近くで暮らす大学生と交流。率直な思いを発信したいとマイクを向けた。

 松井さんは、大学院生の玉城愛さん(23)との再会を楽しみにしている。元米海兵隊員の軍属が逮捕された女性暴行殺害事件に抗議する沖縄県民大会で、「日本本土にお住まいの皆さん。事件の『第二の加害者』は誰ですか。あなたたちです」とスピーチした沖縄の若者だ。「作品への感想だけでなく、取材で深く聞けなかった県民大会前後の心境の変化も聞きたい」

 岡本教授は「沖縄でかつて、何があったか。なぜ、沖縄の現状があるのか。卒業後も交流を重ね、考えを深めてほしい」と期待している。(石川昌義)

(2018年3月2日朝刊掲載)

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