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「原爆の被害 深く知った」 パキスタン陸軍中将 平和公園を訪問

 日本政府の招きで来日しているパキスタン陸軍のジャベイド・マヘムード・ブハリ中将が3日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。被爆者の証言を聞き、原爆資料館を見学。「原爆の被害を深く知った」とする一方、核兵器を保有する自国への理解を求めた。

 資料館会議室で、爆心地の北2・4キロで被爆した小倉桂子さん(80)=中区=に面会。近くの川が遺体で埋まり、避難してきた負傷者も大勢亡くなったことを聞いた。志賀賢治館長の案内で、原爆投下による広島の街の壊滅を伝えるCGや犠牲者の遺品を見学した。

 公園内の慰霊碑も巡り、志賀館長に「破壊の規模を知り、心を強く動かされた」などと伝えた。一方でパキスタンの核開発に触れた一部の展示に懸念を示し、「核兵器が人類に使われることはない。抑止力としてのみ存在している」と述べた。(畑山尚史)

(2018年3月4日朝刊掲載)

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