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[イワクニ 地域と米軍基地] FA18 米に1部隊移転へ 28年以降全体数減

 米軍岩国基地(岩国市)所属の海兵隊FA18ホーネット戦闘攻撃機1部隊(約10機)が2028、29年ごろ、米カリフォルニア州ミラマー基地に移ることが7日、分かった。海兵隊が全戦闘機を最新鋭ステルス戦闘機F35へと切り替える計画の一環で、岩国所属機の全体数を減らす一方、F35を増強する。中国の軍拡や北朝鮮の核開発を念頭に、F35の拠点基地として機能強化を図る狙いだ。

 岩国には現在、約60の海兵隊機が駐機している。ホーネット2部隊計約20機やF351部隊16機など。F35部隊は昨年11月までに、ホーネットなどの後継として米国本土以外で初めて配備された。

 海兵隊が1月に公表した「2018航空計画」では、31年までに現行機を順次、F35に切り替える。米国内6基地と岩国基地の計7カ所に22部隊計304機を配備する。

 これに伴い、岩国のホーネット1部隊はミラマーに移された後、F35に転換。残る1部隊は他基地からローテーション展開している部隊で、これもF35に転換される。計画完了後、岩国の海兵隊機の半分程度をF35が占めることになる。

 米ワシントンの海兵隊総司令部は、中国新聞の取材に「F35の配備などを通じて日本への関与を継続する」とした。ミラマーへの部隊移転の狙いについては回答しなかった。

 岩国基地には、厚木基地(神奈川県)から米海軍の空母艦載機61機も段階的に移転している。5月ごろまでに完了予定で、岩国基地の所属機は海兵隊機と合わせて約120機へと倍増する。軍事評論家の稲垣治氏は「海兵隊は作戦面で海軍との一体化を深めており、両者が駐留する岩国基地の重みは増す。旧型機が減っても岩国の拠点性の高さは変わらず、訓練も続くだろう」と指摘する。(明知隼二)

(2018年3月8日朝刊掲載)

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