×

ニュース

国際交流の担い手に光 ヒロシマ平和創造基金 奨励賞の4人表彰

 公益財団法人ヒロシマ平和創造基金が国際交流や平和活動を担う団体や個人に贈る「国際交流奨励賞」の表彰式が7日、広島市中区の中国新聞ビルであった。理事長の岡谷義則中国新聞社社長が広島県内の4人に表彰状と奨励金を贈った。

 岡谷理事長は「平和を脅かす不寛容や分断が絶えない中、異文化の人と理解し合う案内役を担う取り組みに敬意を表したい」と受賞者をたたえた。カンボジアの平和交流施設「ひろしまハウス」で子どもたちと交流する広島市西区のフリーアナウンサー久保田夏菜さん(31)が代表してあいさつし、「もっと活動せよということだと思い、さらに前へ進みたい」と感謝した。

 他の3人も決意を新たにした。平和記念公園近くに昨年カフェを開き、被爆者を招いて若者と語らう会を開く中区の安彦(あびこ)恵里香さん(39)は「つらい記憶を話してくれる愛情を受け止める場所として広めていきたい」と誓った。

 エルサルバドル出身で、平和の願いを込めて演奏活動する中区のサルサバンドリーダー、アルバル・カスティージョさん(58)は「心が幸せにならないと平和になれない。音楽で心を満たし母国と広島の懸け橋になりたい」と意気込んだ。

 被爆し、孤児となった少年の物語を英語の絵本としてフィリピンで出版し、恵まれない子どもたちに贈る熊野町の通訳案内士、中越尚美さん(55)は「奨励金を元に、さらに本を印刷したい」と語り、モデルとなった東広島市の飯田国彦さん(75)とほほ笑み合った。

 20回目の賞は、広島国際文化財団が1998年に創設し、同基金が2012年度に引き継いだ。今回で計63団体・個人に贈られた。(山本祐司)

(2018年3月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ