×

ニュース

[イワクニ 地域と米軍基地] 運用マニュアル非公開 HPから削除

 米軍岩国基地(岩国市)の運用マニュアルに、米軍機の飛行や訓練の規制に関する地元との確認事項に反する記述があった問題で、基地が、ホームページ(HP)上で公開していたマニュアルを非公開にしたことが分かった。非公開にしたのは、中国新聞が2月21日付でこの問題を報じた後だった。基地は、日常的なHPの更新作業の一環と説明している。

 基地の「航空運用マニュアル」は、基地内全ての部隊や航空機を対象に、滑走路の運用や騒音軽減措置といった運用ルール全般を定める。基地HPの「副官室」のページに公開されていたが、現在、ページは削除されている。

 一転して非公開にした理由について、中国新聞の取材に、基地は「最新で適切な情報を届けるようHPの内容を定期的に更新している」と回答。この問題との関連の有無には言及しなかった。

 岩国市基地政策課は「閲覧できない状態になったことは知っているが、感想を述べる立場にない。基地に理由を問い合わせる予定もない」。山口県基地対策室も「マニュアルは基地の内部規定と理解しており、コメントする立場にない」としている。

 基地と市、県、国でつくる岩国日米協議会は「正月三が日は訓練を行わない」「盆の13日から16日は飛ばないようにする」と確認している。しかし、マニュアルには、三が日と盆期間中の訓練や飛行を可能とする記述があった。

 この問題を巡っては、同市の福田良彦市長は5日の市議会一般質問で、確認事項について「表現に分かりにくさがある」などと述べ、見直しを検討する意向を明らかにした。(明知隼二)

岩国日米協議会
 岩国市と山口県、国、米軍岩国基地(同市)が、米軍機の運用ルールなどを話し合う場として1971年に設置した。午後10時以降はタッチ・アンド・ゴーを禁止するなど、飛行や着艦訓練の規制を中心に16項目を確認している。協議会は91年を最後に開かれていない。

(2018年3月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ