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[イワクニ 地域と米軍基地] 騒音影響 注視訴え 広島で基地問題講演会

 米軍基地が地域にもたらす問題を考える講演会が10日、広島市中区の原爆資料館東館であった。岩国基地(岩国市)と、基地が集中する沖縄について詳しい2人が登壇。岩国への米空母艦載機の移転をはじめとする在日米軍再編による地域の変化などを報告した。

 基地監視団体リムピース共同代表の田村順玄・岩国市議(72)は、艦載機の移転や最新鋭ステルス戦闘機F35Bの配備を挙げ「岩国は在日米軍のハブ(拠点)基地として使われている」と指摘。騒音や低空飛行訓練の実態について、住民が声を上げるべきだと訴えた。

 厚木基地(神奈川県)からの艦載機移転は昨年8月に開始。61機が段階的に移され、現在約6割が配備されている。岩国市基地政策課によると、移転が本格化した昨年12月から今年2月までの3カ月間で、市民から寄せられた騒音などの苦情は計千件と、昨年度同期(計524件)から倍増した。

 一方、沖縄タイムス元記者の比嘉康文さん(76)=沖縄県宜野湾市=は、普天間飛行場(同市)の名護市辺野古への移設に伴い、県内での訓練が増える可能性があると指摘。「基地周辺の子どもたちへの騒音の影響を注視しなければならない」と強調した。

 講演会は三つの市民団体でつくる実行委員会が企画。市民約60人が参加した。(久保田剛)

(2018年3月11日朝刊掲載)

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