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[イワクニ 地域と米軍基地] 騒音 ほぼ全地点で増加  艦載機移転影響か

1月前年比 広島側2、3倍

 米軍岩国基地(岩国市)の周辺に設置された騒音観測地点のほぼ全てで今年1月、騒音回数が前年同月より増えていたことが14日、分かった。岩国だけでなく広島側の大竹や廿日市でも2~3倍に急増。昨年12月ごろ本格化した厚木基地(神奈川県)からの空母艦載機移転が影響したとみられる。(和多正憲)

 国と山口県、岩国市は、山口、広島両県の基地周辺の計30地点に測定器を設置。国と岩国市は70デシベル以上(山口県は66~68デシベル以上)の騒音を数えている。30地点のうち、計測できなかったなどの2地点を除く27地点で、17年1月より騒音回数が増加した。残る岩国市門前町の1地点も微減だった。

 最も多かったのは基地内の観測地点の2651回。基地の外で最も多かったのは岩国市旭町の963回で前年同月比2・1倍。基地まで約200メートルの距離となる。次いで基地南側の同市尾津町の883回だった。

 山口県外では大竹市阿多田島(378回)で約3・3倍に急増した。廿日市市八坂(89回)は約2・6倍、同市宮島町(44回)が2・3倍に上った。山口県内でも岩国市に加え、柳井市神代(183回)が3倍、周防大島町の三蒲小(227回)が1・7倍に増えた。

 山口県岩国基地対策室は「多くの観測地点でW値(うるささ指数)が増加し苦情も増えている。今後も実態把握に努める」としている。一方、移転の判断基準としてきた滑走路の沖合移設前と比べると、W値は総じて小さくなっているとも指摘した。

米空母艦載機移転計画
 在日米軍再編の一環で日米両政府が2006年5月に合意。米軍厚木基地(神奈川県)から岩国基地(岩国市)へ61機を移す計画で、岩国市や山口県など地元自治体は17年7月、国に容認を伝えた。8月に第1陣のE2D早期警戒機5機が到着。11~12月にFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機2部隊(24機程度)とEA18Gグラウラー電子戦機部隊(6機程度)の計約30機、C2輸送機1機が配備された。18年5月ごろまでに残るスーパーホーネット2部隊(24機程度)が移る予定。

(2018年3月15日朝刊掲載)

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