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復刻「大正電車」に花化粧 あす広電100年イベント

 広島電鉄(広島市中区)は、電車開業100周年に当たる23日、東千田町の本社周辺で記念祭を開く。1912(大正元)年に広島駅―相生橋など3路線で運行を始めて以来、広島市の主要な都市交通として発展してきた路面電車が、大きな節目を迎える。(桑島美帆)

 記念祭では、本社に隣接する千田車庫で、普段あまり走っていない古い電車を含め、超低床車両や被爆電車など、約30編成を展示する。12編成を一般開放し、自由に乗ったり触ったりできるようにする。

 開業当時の電車を復刻した「大正電車」はLED(発光ダイオード)と造花で彩り「広電100周年記念号」として12月8日まで、広島市内を走らせる。23日は、午前9時40分に広島駅を出発。運転士と車掌が開業当時の制服を着て、横川駅経由で千田車庫まで運行する。

 100年前に発電所として建てられ、現在は社内研修で使っている被爆建物「赤レンガ棟」も公開し、100年の歴史を伝えるパネル展を開催。本社1階では、一般から募った写真展を開くほか、上田宗箇の茶室を再現し公開する。

 前身の広島電気軌道は1912年11月23日、広島駅―相生橋、紙屋町―御幸橋、八丁堀―白島の3区間で運行を始めた。45年8月6日の被爆時には22両の電車が全焼し、185人の従業員が亡くなったが3日後の9日から運転を再開した。

 越智秀信社長は「市民の支えがあって被爆や苦境を乗り越えられた。感謝の意味も込めて多くの人に記念祭を楽しんでもらい、次の100年につなげたい」と話している。

(2012年11月22日朝刊掲載)

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