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原爆学習 中高生が報告会 資料館でピースクラブメンバー 「核禁止条約 署名へ声を」

 原爆資料館(広島市中区)で被爆の実態などを学ぶ中・高校生ピースクラブは18日、資料館で、一般を対象にした学習成果報告会を初めて開いた。原爆の被害を紹介し、昨年7月に制定された核兵器禁止条約への日本政府の署名に向け、機運を高める必要性を訴えた。(井上龍太郎)

 資料館所蔵の書籍や被爆者の証言を基に1年間、学習を重ねたメンバーが登壇。広島に投下された原爆の資料写真などを示し、戦時中の国際情勢や放射線被害の症状など四つのテーマで発表した。

 広島女学院高2年池田穂乃花さん(17)=安佐南区=は、北朝鮮の核・ミサイル開発などに触れ、世界の核軍縮に進展が見えないと主張。核兵器禁止条約について「被爆者の苦しみや核兵器の非人道性に言及した重要な条約」として、政府の署名に向けて声を上げるよう呼び掛けた。

 報告会はこの日、4回実施し、計約50人が参加した。被爆2世の学習塾経営中原青児さん(66)=西区=は「歴史としっかり向き合っている。核廃絶に向け、発信し続けてほしい」と期待した。

 クラブは2002年度に発足し、17年度は31人が活動してきた。ノートルダム清心中3年奥野美優さん(15)=南区=は「あの時代に生まれていたら、私の人生はどうなっていたか。戦争は絶対に起こしたくない」と話した。

(2018年3月19日朝刊掲載)

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