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日系人野球の父 輝く功績 京都でシンポ 銭村氏の足跡紹介

 広島市出身で「日系人野球の父」と呼ばれる日系米国人、銭村健一郎氏(1900~68年)の足跡をたどるシンポジウムが22日、京都市の立命館大であった。野球史研究家のビル・ステープルズ・ジュニア氏(48)=米アリゾナ州=が基調講演し、日米の野球交流にも貢献した実績を紹介した。

 銭村氏は7歳で移民し、西海岸の日系人チームで活躍した。広島カープ(現広島東洋カープ)が初の外国人選手として1953年に米国から呼び寄せた銭村健三氏は次男、健四氏は三男に当たる。

 ステープルズ氏は、銭村氏が選手、指導者として名をはせた上、「戦前、戦後を通し、野球の親善大使の役割を果たした」と指摘。自らが日本遠征を重ねただけでなく、日米のチームが双方を行き来するのを手助けした功績を振り返った。

 銭村氏が第2次世界大戦中、日系人の強制収容所での生活を強いられながらも現地に球場を造り、野球を続けたエピソードにも言及。「望まない場所でも、野球の技術や知識で仲間に喜びをもたらした」とたたえた。

 同大国際言語文化研究所の主催。国境を越えた野球交流をテーマにしたパネル討議もあった。(田中美千子)

(2018年3月23日朝刊掲載)

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