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核廃絶へ提言案議論 賢人会議 東京で開幕

 核軍縮の方策を探る外務省の「賢人会議」第2回会合が26日、2日間の日程で東京都内で始まった。昨年7月に国連で採択された核兵器禁止条約に反発する核保有国や同盟国と、条約を支持する非保有国の双方の9カ国から委員15人が出席。昨年11月に広島市内であった第1回会合の議論を踏まえ、核兵器廃絶に向けて2020年までに双方が取り組むべき短期的な課題を中心に提言をまとめる。

 委員16人のうち、エジプトの委員を除く、核超大国の米ロや条約推進国のニュージーランドなど各国の専門家、広島平和文化センターの小溝泰義理事長たちが出席。座長の白石隆・前政策研究大学院大学長は冒頭あいさつで、27日中に提言をまとめたい考えを示した。提言は4月下旬からスイス・ジュネーブである20年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会に提出する予定。

 議論は非公開。外務省によると、初日は提言の草案を基に、核開発を続けてきた北朝鮮の情勢や、爆発を伴う核実験を禁止する包括的核実験禁止条約(CTBT、未発効)などを巡り、意見を交わしたという。

 議論後、委員を招いたワーキングディナーの会場であいさつした河野太郎外相は、米国の新たな核体制の見直し(NPR)やロシアの核戦力の増強姿勢などを挙げ、「核兵器に関する問題がいろいろある」と指摘。「しっかりと提言を受け取り、政府として核軍縮に向けてやれることをやりたい」と述べた。

 賢人会議は、日本政府が禁止条約制定交渉に不参加を表明後の昨年5月、同じく参加しなかった核保有国と条約推進国との橋渡しを掲げて提唱した。(水川恭輔)

(2018年3月27日朝刊掲載)

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