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松原美代子さん死去 85歳 世界平和巡礼

 「世界平和巡礼」をはじめヒロシマの証言活動に努めてきた、松原美代子さんが2月10日に広島市南区の自宅で死去していた。85歳だった。喪主のおいが29日明らかにした。

 松原さんは1945年8月6日、爆心地から約1・5キロとなった鶴見町の建物疎開作業現場で被爆し大やけどを負った。作家ら著名人の支援で52年に植皮手術などを受け「原爆乙女」とも呼ばれた。

 米国出身で後に広島市特別名誉市民となるバーバラ・レイノルズ(90年死去)が62年に実現させた平和巡礼に参加し、米ソなど14カ国で被爆体験を証言。64年第2回の参加を機に米国に滞在して英語を学んだ。

 市が67年に設けた広島平和文化センターの職員に採用され、修学旅行生への証言にも取り組んだ。市民が描いた「原爆の絵」を携えて82年には、全米29都市で核兵器廃絶を訴えた。退職後も自前で欧米各地を訪れ、インターネットでも被爆の実態を伝えた。

(2018年3月30日朝刊掲載)

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