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[イワクニ 地域と米軍基地] 予定日前から移転か 米軍側認める 国の説明根拠に疑問

 米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機の移転計画で、残る2部隊の移転が、国の地元説明で示された予定日の前から始まっていた可能性があることが29日、在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)への取材などで分かった。国は「早ければ24日ごろ」から始まると説明していたが、その根拠が問われそうだ。

 中国新聞は24日以降、滑走路を見渡せる基地近くで、朝から夕まで米軍機の飛来状況を目視で確認している。24、25両日には、最後に残っているFA18スーパーホーネット戦闘攻撃機2部隊(24機程度)の所属機は飛来せず、26日夕に1機が到着した。司令部は取材に対し、この1機を移転と認めた。

 さらに司令部は、その後の取材に「26日より前にも既に何機か移転している」と明らかにした。実際に移った時期や機数は「運用上の問題で話せない」としたが、司令部の説明と24日以降の飛来状況から、国が公表した予定日より早く移転が始まった可能性がある。

 艦載機の動向に詳しい市民団体によると、2月下旬から数機が岩国に移ったとの情報もある。

 移転開始予定日を巡っては、中国四国防衛局が23日、米側からの情報として「24日ごろから」と岩国市や山口県に伝えた。防衛局の赤瀬正洋局長は23日、移転部隊の一部が既に飛来した可能性を報道陣から問われ、「認識しているが、(機体が)そのまま岩国にいるかどうかは把握していない」などと答えていた。(松本恭治、馬上稔子)

(2018年3月30日朝刊掲載)

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