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中国広州 日本人学校でヒロシマ授業 広島出身の清川さん 千羽鶴持参し一時帰国

 広島市佐伯区出身で中国広州市の日本人学校に赴任している清川良樹さん(26)が、原爆と平和をテーマにした授業を続けている。一時帰国した3月下旬、生徒たちが授業で折った千羽鶴を平和記念公園(中区)の原爆の子の像にささげた。

 下関市立大で社会科の教員免許を取得し、美鈴が丘高(佐伯区)非常勤講師を経て昨年4月、広州に赴任した。小1~中3の約400人が通う学校は東京や名古屋、大阪出身者が中心で、原爆について知らない子が多いという。

 授業で使う小5の社会科教科書には、平和報道に力を入れる中国新聞についての記述もある。「古里について伝える使命がある」と考え、被爆後の広島の市街地や被害の状況などを写真も交えて説明している。

 清川さんの祖父は原爆投下当時、現在の安芸高田市から広島市中心部に通勤していた。あの朝、病院に行くため仕事を休んで被爆を免れたという。「祖父が助かったから僕がいる。平和の大切さを考え、命を大切にしよう」と呼び掛ける。

 被爆し、12歳で亡くなった佐々木禎子さんも取り上げた。広島に携えた千羽鶴200羽には生徒が平和のメッセージを書き込んだ。

 今後、市民を勇気づけた広島東洋カープなど、復興の歩みも語る予定だ。「中国の友達はもちろん、帰国後にできる日本の友達にもヒロシマを伝えてほしい」と願う。(栾暁雨)

(2018年4月2日朝刊掲載)

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