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外国人入館 最多39万人 原爆資料館 総数は減168万人 17年度

 原爆資料館(広島市中区)は3日、2017年度の入館者数は過去最多を更新した16年度から3・4%減の168万923人となったと発表した。1955年度の開館以来2番目に多い。同館は、高水準が続く背景に、16年5月のオバマ前米大統領の来館や17年7月の核兵器禁止条約制定などによる関心の広がりがあるとみる。外国人の数は39万2667人で5年連続で最多を更新した。(水川恭輔)

 月別では、耐震工事で閉じた本館に代わって東館で新展示が始まった17年4月と同5月は16年度を上回ったが、6月以降はいずれも下回った。年間では5万9063人下回ったが、同館は「オバマ氏の来館直後の驚異的な増加に比べれば落ち着いたが、依然高い水準で推移している」と分析している。

 一方、外国人は2万5888人増えて入館者全体の23・4%を占め、4人に1人に迫った。同館は世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の日本で人気の博物館・美術館ランキングで、4年連続1位になったことも後押しになったとみる。修学旅行などで訪れた小中高生の団体の人数は、合計32万1938人で横ばいだった。

 この日、市役所で記者会見した志賀賢治館長は、禁止条約の制定に貢献した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のノーベル平和賞受賞なども挙げ、「高止まりは世界の動きと連動していると推察している」と説明。混雑対策に今年1月に各展示室の時間ごとの混み具合を調べるセンサーを設け、今後空いている時間帯の傾向の紹介などを検討する。

 一方、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)も同日、17年度の入館者数は16年度比17・7%増の40万1892人となり、4年連続で過去最多を更新したと発表した。「地下で気付きにくい」との声を受け、昨年9月に入り口の館名表示板を目立つようにした効果などがあったという。

(2018年4月4日朝刊掲載)

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