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もの言わぬ証人 歩いて知る 広島市 被爆建物・樹木ガイド本

 広島市は、市内の被爆建物と被爆樹木を巡るガイドブック「ヒロシマの『もの言わぬ証人』たち」を作った。市内を11地区に分けて散策のモデルルートを示し、現存する建物や樹木を解説。原爆被害の記憶継承に役立ててもらう。中区の原爆資料館と市公文書館で販売している。

 市最大級の被爆建物の旧陸軍被服支廠(ししょう)(南区)などが残る「比治山・段原」や、安楽寺(東区)などの寺社に被爆樹木が点在する「広島駅・牛田」など11地区を対象に、各3~10カ所の見学ポイントを巡るルートを提示した。建物や樹木ごとに爆心地からの距離や被爆直後の被害状況を説明し、散策の目安となる所要時間(各約80~220分)も記した。

 被服支廠で被爆した元動員学徒の証言や、被爆樹木の原爆の痕跡を見るポイントの解説なども載せている。

 A5判、96ページで3千部作製。千円。市平和推進課は「被爆から70年以上がたち、被害の実態を伝えるために被爆した建物や樹木の重要性が増している。ガイドブックを通じて多くの人に見てもらいたい」としている。同課☎082(242)7831(水川恭輔)

(2018年4月4日朝刊掲載)

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