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基地関連苦情 最多3543件 岩国市17年度 艦載機移転が影響

 岩国市へ2017年度、市民から寄せられた米軍岩国基地に絡む苦情件数は3543件に上り、過去最多となったことが市のまとめで分かった。前年度(2071件)の1・7倍と大幅に増えた。17年8月から18年3月にかけて、厚木基地(神奈川県)の空母艦載機約60機が段階的に移転したことが影響したとみられる。

 苦情件数の内訳は、「航空機騒音」が3077件と全体の9割近くを占め、前年度(1710件)から急増した。基地撤去を求める意見などの「その他」が462件、「工場・市街地の上空飛行」が4件。全体の苦情件数は、過去最多だった13年度(2491件)を1052件も上回った。

 17年度の騒音苦情を月別で見ると、18年1月の352件が最も多い。FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機など3部隊(計30機程度)が配備された翌月に当たる。次いで多かったのは同3月の342件だった。

 スーパーホーネットは米海軍の主力戦闘攻撃機。岩国の海兵隊所属の従来型ホーネットよりエンジン出力が大きく、厚木周辺の騒音の主因とされていた。

 岩国市は市内5カ所で騒音を常時測定し、岩国基地周辺では南側の尾津町、北側の川口町に測定器を設置している。市によると、17年度は尾津町で6092回、川口町で5706回の騒音を記録。いずれも滑走路の沖合移設後の11年度以降で最多だった。

 艦載機の移転完了で、岩国基地の所属機は約120機になり、極東最大級の航空基地になった。福田良彦市長は「山口県や関係市町と連携し、騒音や運用の実態把握に努め、問題があれば必要な対応を国や米側に求めたい」としている。(松本恭治)

(2018年4月7日朝刊掲載)

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