×

ニュース

[イワクニ 地域と米軍基地] 最新ステルス配備計画 米軍岩国 日本初のF35C

 米海軍が2021年以降、米軍岩国基地(岩国市)に最新鋭ステルス戦闘機F35Cの配備を計画していることが、在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)への取材で分かった。日本で初の配備となる見通しで、厚木基地(神奈川県)からの移転が完了した空母艦載機7部隊のうち、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機1部隊と交代させる方針。最新鋭機の導入で、岩国の軍事的機能はさらに高まる。

 司令部は中国新聞の取材に対し、F35Cの配備計画を明らかにし、「スーパーホーネット1部隊と交代する」と回答。1部隊当たりの機数は12機程度だが、F35Cの配備機数は明らかにしなかった。交代する部隊は米国へ戻る。7部隊のうち、主力のスーパーホーネットは4部隊を占めており、艦載機の戦闘機はスーパーホーネットとF35Cが混在する態勢になるという。

 F35C導入の狙いについて、司令部は「日本の防衛に加え、地域の平和と安全に寄与する任務の能力を高める」ためとした。

 F35は3タイプある。F35Cは海軍仕様。頑丈な着陸装置などを備え、空母に着艦するのに適した機体となっている。

 一方、岩国基地では昨年1月以降、海兵隊仕様のF35Bが16機配備された。短距離離陸と垂直着陸できるのが特徴。今年3月、佐世保基地(長崎県佐世保市)に配備された強襲揚陸艦ワスプの艦載機として西太平洋で初めて運用された。

 岩国基地には17年8月から18年3月にかけ、空母ロナルド・レーガンの艦載機約60機が移転。基地所属機は約120機に倍増し、極東最大級の航空基地となった。艦載機を運用する第5空母航空団の司令部機能も厚木から岩国へ移る。(松本恭治)

F35
 レーダーに映りにくい高度なステルス性が特徴で「第5世代機」と呼ばれる。米空軍仕様のA▽海兵隊仕様のB▽海軍仕様のC―の3タイプがある。製造する米ロッキード・マーチン社によると、F35Cは空母での運用を想定して設計。他のタイプより大きな翼と頑丈な着陸装置を備えている。また翼の先端を折り畳むことができ、甲板での離着陸や搭載に適した構造となっている。

(2018年4月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ