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「灯」守る決意新た 広島の平和公園訪問 高野山真言宗米国別院主監の今村さん

 米国ロサンゼルス、リトル東京にある高野山真言宗米国別院で主監を務める今村純訓さん(74)が、平和記念公園(広島市中区)を訪れて原爆犠牲者に祈りをささげた。

 米国別院は広島から分火した「平和の灯(ともしび)」を守り、在米被爆者の活動にも協力している。今村さんは会議出席で帰国したのを機に、広島の灯との「対面」と慰霊のために立ち寄った。

 原爆慰霊碑越しに灯を見つめて一心に手を合わせ、原爆供養塔の前では地面に座して経を唱えた。「米国で被爆者が原爆の悲惨さを語り継ぐため力になれば、とあらためて思う」と話していた。

 ロサンゼルスの平和の灯は1984年、米国の反核平和団体の要請に広島市が応じて分火され、暫定的に米国別院が受け入れた。現地で永久保存運動が起こったものの場所が決まらず、別院が34年間、5日ごとにろうそくを取り換えて守ってきた。原爆犠牲者の追悼集会の場にもなり、在米被爆者と家族や市民が毎年8月、宗派を超えて平和の灯の前に集っている。(金崎由美)

(2018年4月10日朝刊掲載)

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