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島根県、東電に損賠請求 原発事故で肉牛検査費など

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、島根県は30日、県産肉牛の放射性物質の検査費用など約1億2500万円を東電に損害賠償請求すると発表した。4日、東電に請求書を提出する。これまで10県が同様の請求をしているが、西日本では初めて。

 2011年3月11日から12年3月31日の間、事故で県が実施した17事業費と、職員の時間外手当、旅費などが対象。11年夏に県内の肉牛肥育施設の飼料用稲わらから国の基準を超える放射性セシウムが検出された問題で、県産牛の全頭検査や安全性PRのチラシ製作などの対策経費が約1億円を占めた。

 輸出製品の放射線量を測定する機器の購入費や、避難者を受け入れた県営住宅の家賃減免分も盛り込んだ。

 県によると、東北、関東地方の10県が同様の請求をしたが、まだ支払いは受けていないという。県農畜産振興課は「東電に具体的な賠償基準がないため、事故と関係ある経費を幅広く算定した」としている。今後、未算定分や12年度分も請求する。(川上裕)

(2012年12月1日朝刊掲載)

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