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広島県世羅郡から旧満州入植 開拓団 最後の慰霊祭

 広島県世羅郡の出身者が中心となって旧満州(中国東北部)へ入植した上金馬川開拓団の慰霊祭が1日、広島県世羅町甲山の今高野山にある慰霊碑前であった。遺族や関係者でつくる金馬会の主催。会員が高齢化したため今回が最後となった。

 県内外から約30人が参列。開拓団に家族で参加した大工谷博旦さん(76)=尾道市栗原東=が「私たちが今あるのは先人の苦労のおかげ」とあいさつ。参列者が次々と手を合わせた。

 開拓団は1940年から45年にかけて、家族を含めて約750人が移り、入植地は「第一世羅村」などと名付けられた。敗戦で帰国するまで戦争や病気で約200人が亡くなった。

 同会は慰霊碑が建立された66年から毎年、慰霊祭を営んだ。近年は参列者が減り、2006年から隔年となっていた。世羅町伊尾の石丸勝三さん(83)は「営まれないのは残念だが、忘れられぬよう語り継いでいく」と話していた。(杉原和磨)

(2012年12月2日朝刊掲載)

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