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核実験の被害や交流活動を報告 カザフ訪問の若者ら 広島

 旧ソ連最大の核実験場があったカザフスタンを訪れ、交流を続ける広島市の若者グループCANVaS(キャンバス)は1日、夏の「スタディツアー」の報告会を中区の市青少年センターで開いた。核実験場閉鎖から20年以上過ぎた今も健康被害に苦しむ人々の現状や、現地の若者との交流の様子を紹介した。

 安佐北区出身の小麻野貴之代表(33)=東京都=ら6人が、8月28日から11日間の滞在を振り返った。核実験場に近いドロン村では、がんなどを患った被曝(ひばく)者3人に面会。小麻野代表は「核の脅威は続いている。周辺部の医療体制も十分とはいえない」と指摘した。

 セメイ市では、現地の大学生と合同で平和フォーラムを初めて開催。ヒロシマとカザフスタンの核被害を継承する取り組みとしてホームページの共同制作を決め、「大きな成果になった」と話した。

 かつての首都アルマトイでは、若者とお好み焼きやすしを作って交流。西区出身で愛媛大4年川崎悠さん(22)=松山市=は「異文化に触れた時、拒否しないことが大切だ。相互理解が平和につながる」と発表した。

 広島修道大2年二上真衣さん(19)=西区=は「両国の核被害を多くの人に伝えたい。今後も連携し、核廃絶に向けて努力したい」と話していた。キャンバスの現地訪問は5回目。報告会には市民ら約20人が参加した。(増田咲子)

(2012年12月3日朝刊掲載)

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