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[イワクニ 地域と米軍基地] 「整備の問題生じた」 F35福岡緊急着陸 米軍が説明

 米軍岩国基地(岩国市)に所属する最新鋭ステルス戦闘機F35B1機が24日に航空自衛隊築城(ついき)基地(福岡県築上町)に緊急着陸した問題で、在日米海兵隊を統括する第3海兵遠征軍(司令部・沖縄)は25日、中国新聞の取材に「F35Bに整備上の問題が生じたため」と明らかにした。岩国基地ではこの日、同型機が離着陸を繰り返した。

 第3海兵遠征軍は「(異常を知らせる)操縦席の表示を受け、パイロットが最も適切な天候状況にある最も近い飛行場へ着陸することを決めた」と説明。けが人や機体などへの損傷はなかったとした。中国四国防衛局も同様の情報を岩国市と山口県に伝えた。

 防衛省によると、F35Bはこの日も築城基地に駐機を続け、米軍が機体の点検を始めた。

 一方、中国新聞は同日、同型機が岩国基地を離着陸するのを確認した。午後2時41分と同48分、それぞれ2機ずつが離陸。その後、4時から7時前までの間、離着陸を繰り返した。

 日本政府はこれまでに、米側へF35Bの飛行自粛を申し入れていない。同省補償課は「機体の点検結果などを総合的に判断し、必要であれば要請する」と説明する。

 市民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」はこの日、在日米軍司令部と日米両政府に抗議文を送付。「F35Bの安全性はまだ確認できていない」と飛行の継続を批判した。

 同省によると、F35Bが国内で米軍基地以外の場所に緊急着陸したのは初めて。岩国基地には昨年1月と11月、計16機が米国外で初めて配備された。(松本恭治、馬上稔子)

不安解消に努める 岩国市長

 米軍岩国基地のステルス戦闘機F35Bが航空自衛隊築城基地に緊急着陸した問題で、岩国市の福田良彦市長は25日の記者会見で「詳細な内容について米側から防衛当局に情報提供があれば、速やかに市も共有したい」と述べ、住民の不安解消に努める考えを示した。

 福田市長は「F35Bが昨年1月に岩国へ配備されて以降、これまで大きなトラブルはなかった」との認識を示した上で「今回、どういったことがあったのか。市民の安心安全を担う立場として、今後の情報を注視したい」と強調した。

 中国四国防衛局から市への一報が、発生から約6時間後の24日午後5時20分ごろだった点にも言及。「若干、時間がかかっている感もある」と指摘し、速やかな情報提供を求めた。

 山口県の村岡嗣政知事はこの日の記者会見で、緊急着陸に関し「国に引き続き情報提供を求めている。説明を踏まえて対応したい」と述べた。(松本恭治、和多正憲)

(2018年4月26日朝刊掲載)

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