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広島中心部にイノシシ ドーム通り広島城で捕獲

 25日午前9時半ごろ、広島市西区己斐上の住宅街に「イノシシがいる」と近所の住民から110番があった。イノシシ1頭が原爆ドーム(中区)付近など市中心部を駆け抜け、市などが広島城(同)の堀で捕獲した。けが人はなかった。市中心部でイノシシが目撃されるのは珍しい。

 市によると、イノシシは雌で体長約1メートル、体重は推定で約50キロ。当初は親子2頭の目撃情報だった。地元の猟友会が子を捕獲したが、親はデルタの市街地を東進したとみられ、11時半ごろには約3キロ離れた原爆ドームに出没した。

 ドーム一帯には観光客や平和学習に訪れた中学生が大勢いて、引率の教員が生徒に注意を促すなど一時騒然となった。イノシシはその後、広島城へと北上。城の堀に飛び込み、午後1時ごろ、市動物管理センターの職員が麻酔で眠らせて捕獲した。イノシシは殺処分された。

 広島県警や市によると、「イノシシが平和記念公園付近をうろついている」「車道を走っている」などの110番や通報が相次いだ。

 広島市内では、2011年5月に中区の江波、舟入両地区で計6人がイノシシに足をかまれるなどした。13年11月には安芸区のJR矢野駅付近に出没し、路上や駅ホームで男女2人にけがを負わせた。(中川雅晴)

(2018年4月26日朝刊掲載)

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