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被爆校舎の訪問 外国客1割以下 広島市調査 周遊路PRへ

 広島市は、平和をテーマにした観光周遊「ピースツーリズム」推進に向け、平和記念公園(中区)を訪れた外国人観光客へのアンケート結果をまとめた。「行きたい(行った)ところ」(複数回答可)は全員が原爆ドームと答えた一方、被爆校舎を使った平和資料館がある近くの本川小や袋町小は1割を切った。市は周遊ルートをPRし、ドーム以外の被爆建物などへの訪問を促す。

 市が、26日に市役所で開いたピースツーリズム推進の懇談会の本年度初会合で説明した。アンケートは市が1月29~31日、同公園内のレストハウスで実施し、欧米を中心に22カ国・地域の78人が回答した。

 「行きたい(行った)ところ」は全員がドームと答え、原爆資料館(68人)、広島城(45人)と続いた。一方で本川小は5人、袋町小は3人にとどまり、市最大級の被爆建物の旧陸軍被服支廠(ししょう)は4人。広島滞在日数を聞くと、「1日」が36人で半数に迫った。

 市は昨年度、原爆被害の発信強化や滞在期間の延長に向け、懇談会の議論を基に両小の被爆校舎などを巡る周遊ルートを設定した。この日の初会合では来月下旬から、市が依頼した外国人にルートを回ってもらい、改善点を聞くことを決めた。市観光政策部は「ルートを浸透させてドーム以外の被爆建物の認知度を上げ、被害の実態に一層触れてもらいたい」としている。(水川恭輔)

(2018年4月27日朝刊掲載)

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