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オーストリア議長 広島原爆資料館見学

■記者 森田裕美

 日本との国交樹立140周年を記念し、衆議院の招きで来日中のオーストリアのバーバラ・プラマー国民議会議長(55)が1月29日、広島市を訪れ、原爆被害の実態に触れた。

 原爆資料館(中区)では、前田耕一郎館長の案内で同行議員たち10人とともに見学。大やけどを負った被災者の写真や熱線で人影が焼き付いた石などに沈痛な表情で見入った。 プラマー議長は、2歳で被爆し、10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんの物語を世界に伝えた同国の作家カール・ブルックナーの小説に影響を受け、広島訪問を強く希望したという。

 禎子さんの死をきっかけに建立された原爆の子の像も見学。取材に対して「核のない世界の実現は私たちの課題。核兵器や戦争の恐ろしさを忘れない努力が必要」と述べ、核不拡散や大量破壊兵器廃絶にリーダーシップを取る決意を語った。

 京都なども訪れ、1月31日に帰国する。

(2009年1月30日朝刊掲載)

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