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護憲派・改憲派が訴え 広島・山口 集会やシール投票

 憲法記念日の3日、日本国憲法について考える集会やイベントが広島市中区であった。護憲派、改憲派は、安倍晋三首相が目指す9条への自衛隊の明記などを巡ってそれぞれの立場から意見を訴えた。

 市民団体でつくる「ヒロシマ総がかり行動」はハノーバー庭園で集会を開き、約1800人が集まった。仲村未央沖縄県議(45)と田村順玄岩国市議(72)が、各地の米軍基地問題の現状を報告し、戦争反対を強調した。「平和憲法を失うことに賛同できるか。憲法の理想を追求し続けよう」などと呼び掛けた。「改憲は許さない」とするアピールも採択した。

 原爆ドーム前では、「第九条の会ヒロシマ」が9条を守るか9条に自衛隊を書き込むかをシール投票で尋ねた。504人が答え、440人が「守る」を選んだ。安佐南区の会社員森田友清さん(40)は「憲法に自衛隊を明記すると任務が拡大し、いずれは戦争の参加につながるのではないか」と改憲に懸念を示した。

 一方、「美しい日本の憲法をつくる広島県民の会」は、県立総合体育館で集いを催した。国内外での自衛隊の活動を紹介する映像や、ジャーナリスト桜井よしこ氏たちのビデオメッセージを上映。「憲法9条1項、2項はそのままにして、まずは自衛隊の存在の明記を目指す」「改憲勢力が衆参両院ともに3分の2以上を占めるいまは改憲の最適期」とする同氏の主張に約80人が耳を傾けた。

 参加した中区の無職渡辺英彦さん(74)は「国の危機管理を他国の軍隊に頼るような国の在り方はおかしい。改憲を進めるべきだ」と話した。

 この日は山口市でも護憲、改憲両派の集会があった。(新山創、教蓮孝匡)

(2018年5月4日朝刊掲載)

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