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18年ぶり空襲慰霊祭 広の神社 住民有志が復活

 広島県呉市広地区の工僚神社で5日、73年前の1945年にあった空襲の犠牲者の慰霊祭が18年ぶりに営まれた。遺族や関係者の高齢化などを理由に途絶えていたが、地元の住民有志たちが復活させた。(浜村満大)

 式典には地元住民を中心に約30人が出席。佐々木尚宏宮司が祝詞を上げた後、出席者は玉串をささげて犠牲者を悼んだ。同年3月の空襲で叔父が犠牲になったという会社会長の白田清人さん(69)=呉市広白石=は「途絶えていたことは寂しかった。今後も継続的に慰霊祭をやってほしい」と願っていた。

 広地区の空襲は同年3、5、7月にあった。工僚神社は46年11月に建立され、犠牲者たち411人をまつる。慰霊祭は広海軍工廠(こうしょう)や第11海軍航空廠が標的となった5月5日の大規模空襲にちなみ、同じ日に遺族や関係者が集まって営んでいたが、2000年を最後に途絶えていた。

 慰霊祭の復活を企画した郷土史研究家の平原聖三さん(69)=同=は「今ある平和のありがたさを忘れてはならない。来年以降も続け、広地区の戦災の記憶を継承していきたい」と力を込める。

(2018年5月6日朝刊掲載)

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