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坪井さん「名誉市民」 祝う 広島市から称号 教え子ら「思い継承」

 日本被団協代表委員で広島県被団協理事長の坪井直さん(93)=広島市西区=への広島市名誉市民称号贈呈の祝賀会が5日、南区のホテルであった。坪井さんの中学教諭時代の教え子が、誕生日に合わせて企画。坪井さんがあらためて核兵器廃絶を訴え、教え子たちは思いを受け継ぐ決意を新たにした。

 坪井さんが1957年から勤務した熊野中(熊野町)の教え子たち21人が出席。贈呈式の写真を収めた額や花束を贈った。代表してあいさつした友岡誠さん(74)=埼玉県和光市=は「被爆体験をわれわれにも全国にも伝えてきた坪井先生の活動は素晴らしい。まだまだ、93歳。これからも」と今後の活動への期待を込めた。

 お礼の言葉を述べた坪井さんは「核兵器をゼロにせんと。少なくしても持つのを許可したら平和じゃない」と強調。「『核兵器なくせ』も大事だが、戦争がある限り駄目」と核兵器廃絶にとどまらない平和活動を託した。

 坪井さんは広島工業専門学校(現広島大工学部)3年だった45年8月6日、爆心地から約1・2キロで被爆。被爆者援護の充実や被爆体験の継承に力を尽くしたとして4月5日に市役所で市から名誉市民称号を贈られた。(水川恭輔)

(2018年5月8日朝刊掲載)

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