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北東アジアの非核化探る 長崎大で研究会 国内外の40人参加

 北東アジアを非核兵器地帯にする構想の現状や、実現への課題について国内外の専門家が話し合う国際ワークショップが7日、長崎市の長崎大で始まった。長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)などの共催で、約40人が参加した。

 会議では、RECNAの梅林宏道センター長が「北東アジアの非核化は、核なき世界を目指すうえでも重要」と指摘。米国の元大統領特別補佐官のモートン・ハルペリン氏が昨年秋に提案した「包括的アプローチ」構想を、実現への鍵を握る新たな動きとして紹介した。

 ハルペリン氏は基調講演で、提案の背景について「北朝鮮に核放棄を迫るこれまでの努力は6カ国協議を含めて失敗した」と説明。行き詰まり状態を打開するため、北朝鮮が求める平和条約や国交正常化を含めた、包括的な条約づくりを目指す必要性を強調した。

 もう一人の基調講演者、米国ノーチラス研究所のピーター・ヘイズ所長も「従来型の知恵は北朝鮮には通用しない」と、モンゴルなどを含めた新たな枠組みでの問題解決を訴えた。質疑応答では「6カ国協議はなぜ失敗したのか」などの質問が出された。

 その後の討議では、韓国と中国の研究者や国連軍縮局の専門官らが、北東アジア非核化への課題や展望について意見を述べ合った。

 8日も討議を続け、同日午後に長崎大で、10日夕方には東京の明治学院大で、同じテーマで公開シンポジウムを開き、ワークショップを終える。(宮崎智三)

(2012年12月8日朝刊掲載)

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