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「この世界」ドラマ撮影 広島・呉でロケ RCC7月放映開始

すず役の松本穂香「明るく頑張る」役に集中

 戦時下の呉や広島を舞台にした連続ドラマ「この世界の片隅に」が7月からRCCテレビなどTBS系で放送される。アニメ映画化されて大ヒットした、こうの史代さん(広島市西区出身)の同名漫画が原作で、松本穂香、松坂桃李ら人気俳優が出演。横浜市のスタジオや広島市で撮影が始まった。(西村文)

 広島の江波(現中区)から呉に嫁ぎ、貧しいながらも幸せな日々を送っていたすずとその家族が、次第に激化する戦争に巻き込まれていく物語。こうのさんは「脚本がすてきでうれしくなった。魅力的なキャストの皆さんも楽しみ。重厚感のある傑作になると確信している」と期待する。

 すず役の松本は、オーディションで約3千人から選ばれた注目の若手だ。出演が決まると広島を訪れ、すずが生きた街の空気感を肌で経験。普段からげたを履くなどして役作りに励んできた。「すずさんのように明るく前向きに精いっぱい楽しんで、最後まで頑張りたい」と張り切る。

 すずに寄り添い激動の時代を生き抜く夫の周作は、話題作への出演が相次ぐ松坂が演じる。「戦争を知らない世代だが、この世代でしか伝えられないことを今の時代にきちんと伝えていきたい」と意気込む。

 横浜市の撮影スタジオには、築90年を超える呉市の古民家を移築し、当時の雰囲気を再現。17日からは広島、呉の両市でロケも始まった。公開中の映画「孤狼(ころう)の血」の撮影で昨年にも呉を訪れた松坂は、ネットで「うれしさや縁や緊張などを感じている」とツイートしている。

 共演は尾野真千子、田口トモロヲ、伊藤蘭ら。音楽はスタジオジブリ作品で知られる久石譲が担当する。

(2018年5月19日朝刊掲載)

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