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「核廃絶を」映画で発信へ 米財団が広島を訪問

 「核兵器のない平和な世界」をテーマにした子どもたちの絵画コンテストを今年、国連と実施した米国のハーモニーフォーピース財団が、30分程度の映画を制作している。世界各国の応募者らの平和を願う声を集めようと、鳥居具子(ともこ)理事長(米ペンシルベニア州)が広島市を訪れ、舟入高(中区)や基町高(同)で撮影した。

 舟入高は4日に訪問。13~17歳の部門で世界2位になった2年山中あいさん(17)=中区=をはじめ応募した5人の生徒に対し、動機や、作品に込めた思いを質問した。

 核兵器の無意味さを表現した山中さんは、ビデオカメラを前に「これまでの平和学習の集大成として取り組んだ」。使われなくなった核兵器を森の中に描いた3年林茉里花さん(18)=南区=は「制作中に祖母から戦争体験を聞いた。事実をしっかり受け止めたい」と答えていた。

 映画制作には国連が協力。潘基文(バンキムン)事務総長や、タイ、マレーシアなどの受賞者も撮影する。来年夏までに完成させ、広島や米ニューヨークでの受賞作展示の際や、米国での平和イベントで公開する予定。鳥居さんは「核のない世界を訴える若者の素顔を世界に広げたい」と話している。(増田咲子)

(2012年12月11日朝刊掲載)

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