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故四国五郎さん 初の常設展示室 三原に来月

 原爆詩人の峠三吉たちと協働し、「反戦・平和」の画業で知られる画家四国五郎さん(1924~2014年)の初の常設ギャラリーが、生誕地の三原市大和町椋梨にできることが19日、分かった。廃校となった旧椹梨小を改装してできる施設「くわなし皆来(みらい)館」に入る。6月9日にオープンする。

 四国さんの画業は近年、回顧展や評伝の刊行などで再評価が進むが、常設展示はなかった。椋梨の住民が約2年前から計画し、四国さんの長男、光さん(61)=大阪府=たち家族に協力を求めた。

 今月10日、地元住民と予定地を視察した光さんは、「父がどんな人間でどんな人生を歩んだのか、知ってもらえる展示にしたい」と期待した。

 ギャラリーを運営する地元のNPO法人「ふるさとくわなし」によると、校舎1階にある二つの空き教室の計約70平方メートルを改装して使う予定。油彩や水彩画、四国さんと峠が写った写真、未発表の詩のコピーなどを公開する。作品は、所有する家族から借りるなどする。

 展示の入れ替え、イベントの開催も計画する。ギャラリーの名前や作品数は調整中。入場無料とする。

 準備を進める大和町の和気泰臣さん(71)は「地元の人にも業績を知ってもらい、まちの活性化につなげたい」と話している。(政綱宜規)

(2018年5月20日朝刊掲載)

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