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赤十字病院の展示拡大 原爆資料館東館 当時の壁など

 原爆資料館東館(広島市中区)で仮設の実物展示を拡充する広島市の計画を巡り、松井一実市長は24日の記者会見で、被爆後の救護、医療の拠点となった広島赤十字病院(現広島赤十字・原爆病院、中区)の関連展示を設ける考えを示した。8月6日までに窓ガラスの破片が突き刺さった跡が残る当時の壁(幅1・9メートル、高さ1・8メートル)などを並べ、原爆被害の実態を伝える。

 展示拡充は、改装中の資料館本館の再オープンが今年7月から来年春へ延びたのを受け東館地下1階に計画。同館所蔵の壁のほか、被爆後の治療の様子の写真などを並べる。国際赤十字・赤新月社連盟などは、広島・長崎の被害を訴えて核兵器禁止条約の批准を呼び掛けており、松井市長は「(赤十字は)広島に思いを持っている。取り組みを知ってもらう一助に」と述べた。

 また、松井市長は27日でオバマ前米大統領の広島訪問から2年となることについて「広島が核兵器廃絶に向けメッセージを発信するのにふさわしい地との受け止めが広がった」とあらためて評価。オバマ財団と連携し、若者に被爆の実態を伝える活動を進める方針も示した。(水川恭輔)

(2018年5月25日朝刊掲載)

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