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「北朝鮮の非核化期待」 広島知事、米朝会談を注視

 広島県の湯崎英彦知事は29日の記者会見で、6月12日のシンガポール開催で調整が進む史上初の米朝首脳会談について「北朝鮮の非核化は、これまで何度も試みられ、実現していない。完全かつ検証可能で不可逆的な放棄につながるよう期待したい」と述べた。

 首脳会談を巡っては、トランプ米大統領が中止を通告するなど、両国の駆け引きが続く。「難しい交渉であり、さまざまなやりとりがされている状況を反映している。今後も動きがあると考えており、注視していく」と説明した。

 北朝鮮は過去6回の核実験をした核実験場の坑道などを爆破し「完全廃棄」を宣言したが、国際原子力機関(IAEA)などの専門家は招かなかった。「核実験場を実際に使わないようになれば一歩前進だが、専門家が入らないと検証できない」と指摘した。

 トランプ政権が検討している自動車の輸入制限には「広島では自動車産業の存在感が大きい。マツダや部品メーカーはもちろん、県経済全体に影響すると懸念している」と表明。高い関税を課すなどの措置が発動されないよう、日本政府に働き掛ける考えを示した。(村田拓也)

(2018年5月30日朝刊掲載)

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