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九州沖で訓練開始 艦載機 岩国の騒音悪化も

 米軍岩国基地(岩国市)の空母艦載機のパイロットが空母への着艦資格を得るための訓練(CQ)が30日、九州沖の太平洋上で始まった。4~6日間程度とされる期間中、訓練を終えた機体が深夜や未明に岩国へ戻る可能性があり、周辺の騒音悪化が懸念される。

 CQは洋上の空母への離着艦を繰り返す訓練。厚木基地(神奈川県)の艦載機約60機が岩国への移転を完了してから初めてとなる。移転前は厚木を拠点に関東地方の房総沖で実施していた。

 CQでは、毎日数十機が昼から夜にかけて段階的に岩国基地を離陸する。中国新聞はこの日午後4時半ごろ、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機6機が次々と飛び立つ様子を確認した。

 訓練後は空母に格納される機体を除いて午後11時ごろまでに岩国へ戻る予定だが、滑走路の運用時間(午前6時半~午後11時)外になる可能性もある。岩国市と山口県は期間中、滑走路を見渡せる場所に職員を配置し、午後11時以降の運用状況を確認する。

 艦載機は25日、東京・硫黄島での陸上空母離着陸訓練(FCLP)を完了。CQはFCLP後、10日以内に始める必要がある。艦載機を載せる原子力空母ロナルド・レーガンは29日、周辺海域の警戒任務に当たる長期航海のため、横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出港した。(松本恭治)

着艦資格取得訓練(CQ)
 空母艦載機のパイロットが空母に着艦する資格を得るための試験。実際に洋上展開した空母を使い、日中と夜間、甲板に設置されたワイヤに機体のフックを引っ掛けて着艦し、十分な技量があるかを採点する。艦載機を運用する第5空母航空団のパイロット約100人が参加する。

(2018年5月31日朝刊掲載)

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