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「着実に核なき一歩を」 米朝首脳12日会談へ 被爆者が要求

 トランプ米大統領が米朝首脳会談を予定通り12日に開くと表明したのを受け、広島県内の被爆者団体から2日、歓迎の声が上がった。北朝鮮に中止を通告して一転、開催を表明したことに「政治的駆け引きではなく、着実な北朝鮮の非核化の道を示してほしい」と求める声もあった。

 広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(76)は、首脳会談の開催決定を喜んだ上で、「少しでも互いが歩み寄る姿勢を示さないとうまくいかない」と指摘した。「会談が他の核保有国にも影響し、核兵器がなくなる一歩になれば」と期待した。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(73)は、1回の会談で非核化への結論を出すのは難しいとみる。米側が一時、中止を表明した経緯に触れ、「駆け引きより、対話を継続する姿勢が大切だ」と求めた。

 広島県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖(キム・ジノ)理事長(72)は「平和構築に向けた今の南北の動きを、米国はむげにしてはならない。北朝鮮と米国の関係が融和に進むのか注目したい」と強調した。(新山創、新山京子)

(2018年6月3日朝刊掲載)

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