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深夜まで離陸 騒音悪化 米艦載機の九州沖訓練終了 岩国市に苦情計290件

 中国四国防衛局は4日、米軍岩国基地(岩国市)の空母艦載機のパイロットが空母への着艦資格を得るための訓練(CQ)が3日に終了した、と岩国市や山口県に伝えた。5日間の期間中、周辺の騒音は計239回を計測。滑走路の運用時間(午前6時半~午後11時)内とはいえ、深夜まで艦載機とみられるジェット機の離陸が続き、騒音が悪化した。運用時間外の着陸もあった。市には計290件の苦情が寄せられた。

 CQは洋上の空母への離着艦を繰り返す訓練。5月30日から、岩国基地を拠点に九州沖の太平洋上で行われた。厚木基地(神奈川県)の艦載機約60機が3月末に岩国への移転を完了してから初めてだった。

 期間中、最も運用が活発だったのは3日目の1日。市が基地南側に置く騒音測定器で、1日当たり最多の89回を記録。4月の1日平均回数(約44回)の倍だった。1日午後4時50分ごろには最高の98・7デシベルを計測した。騒音回数の最少は最終日の3日の10回。

 最近ではほとんどなかった午後10時台の離陸が目立った。2日は10機、3日は8機が飛び立った。2日には午後10時20分ごろ、基地北側で92・0デシベルを記録した。90デシベルは騒々しい工場の中に相当する。

 懸念された時間外運用では、31日深夜に1機が、1日深夜~2日未明に7機が着陸した。期間中、最も遅かったのは2日午前0時11分。一般的に離陸時より着陸時の方が騒音は小さいが、2日未明、基地南側で最大77・5デシベルを計測した。

 市に対し、市民から寄せられた苦情は、30日21件▽31日41件▽1日117件▽2日56件▽3日55件。市は4日、可能な限り騒音の軽減に努めるよう基地側に申し入れた。(松本恭治)

(2018年6月5日朝刊掲載)

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