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廿日市で騒音回数急増 艦載機移転後 5月179回 前年の3.4倍

 米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転に伴い、近隣の廿日市市で騒音測定回数が急増している。市内3カ所での騒音回数は5月に計179回(27日時点)で、前年同月の3・4倍になった。住民団体は5日、騒音測定器の増設や監視カメラの設置などを市に要請した。

 廿日市市は、阿品台市民センター▽佐伯支所▽吉和市民センター―の3カ所に測定器を設置。70デシベル以上の航空機騒音を測定している。岩国基地からの距離は阿品台は約22キロ、佐伯は約25キロ、吉和は約39キロ。

 騒音回数は艦載機の主力、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機部隊の一部が移った昨年12月から増加し、1月に計191回を記録。2月に半減したものの、移転が完了した3月から再び増加し始めた。

 設置場所別では阿品台と佐伯で増加が目立つ。5月には、阿品台は69回で前年同月の4・9倍、佐伯は68回で4・3倍になった。同市の住民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」は「米軍機の飛行ルートが変化している。艦載機移転の影響がある」とみる。

 同会は5日、米軍機の低空飛行を記録する監視カメラを市役所に設置することや騒音測定器の増設を求める要請書を市へ提出した。坂本千尋共同代表(65)たち5人が市役所を訪れ、「騒音被害の悪化が続けば平穏な生活が失われかねない」と訴えた。

 厚木基地(神奈川県)からの艦載機約60機の移転は3月末に完了。岩国基地所属機は既存の海兵隊機を含めて約120機になり、極東最大級の航空基地になった。(森戸新士)

(2018年6月6日朝刊掲載)

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